記事インデックス

平成2年、益田市の三大祭りの一つで、今年百回目を迎えた益田天満宮祭の大行司小行司の行列に子ども奴が十一月三日、市民に初めて披露されました。
子ども奴は、益田児童館が地元の力で大行司小行司を行いたいと伝統文化の継承に取り組み、益田小の五・六年生を中心に七十名で組織。九月から津和野町の保存会の指導を受け、奴独自の歩き方や振り付けなどを練習してきました。

衣装づくり

益田子ども奴保存会は、子どもたちに郷土の歴史を教え、かつ、まつりの楽しさを教えるために、平成2年6月に創設されました。

子ども奴の創設に伴う、大・小道具、衣装類は、地域の有志による手作りにて作りました。


 益田天満宮に古くから伝わる祭、[天満宮]まつり(大小行司まつり)」の面白さを体感させ、地域活性化に結び付けよう、と地域住民有志と父母らが衣装も大小道具も手作りした奴行列(道中)。故郷づくりの思いを担ってチビッ子奴が練り歩く。
 「子ども奴」を計画したのは益田児童館(児玉勝美館長)。伝統の大小行司で行列の先陣を行く「奴」でさえ他地区の協力参加を得ていることから「何とか地元で!」と、平成2年6月に世話人会(現、益田子ども奴保存会)をつくって取り組みを開始した。大弓衣装 小学校などを回って参加の子供たち約70名を集める一方、先進地の津和野町の奴保存会を訪ね、衣装や実際の歩き方を勉強。父母ら地域住民より寄せられた布きれなどを材料にコツコツと法被や毛槍などを作り、準備を進めてきた。 練習は道具類がほぼそろった九月から開始。毎週土曜日の午後六時から夜遅くまで続けた。奴独特の歩き方を恥ずかしがっていた子供たちも、今では元気いっぱい掛け声を上げて歩けるまでに上達。「早く衣装を着て行列したい」と本番を心待ちにしていた。
 11月3日の大小行司では行列の先頭役で市内の目抜き通りを歩く。護衛役に母親たちが付き添い、総勢九十名、約七十メートルのかわいらしい一団が市民に愛きょうを振りまく。
 益田児童館では「益田市のふるさと活性化事業の指定を受け、補助金も出るなど活動に弾みもついた。これから独自の子ども奴のスタイルも考え、伝統文化の継承に力を入れたい」と話している。